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住宅ローンが払えないときの競売回避|任意売却など5つの選択肢と相談先

query_builder 2026/10/21
コラム
住宅ローンが払えないときの競売回避

はじめに:返済が苦しいときこそ、「早く動く」ことがすべてを分ける

 

「収入が減って、住宅ローンの返済が苦しくなってきた」 「すでに数か月、返済が遅れていて、督促状が届いている」 「このまま払えなくなったら、家は競売にかけられてしまうのだろうか」 「家族に言えず、一人で悩んでいる」

住宅ローンの返済が難しくなったとき、多くの方が、不安と焦りの中で、誰にも相談できずにいます。勤め先の業績悪化、病気やけが、離婚、事業の不振、金利の上昇による返済額の増加など、原因はさまざまです。どれも、誰にでも起こりうることであり、決して、特別なことでも、恥ずかしいことでもありません。

最初に、とても大切なことをお伝えします。

競売は、住宅ローンが払えなくなったときの、「最後の結果」であり、そこに至るまでには、時間があります。そして、その時間の中で、競売を回避できる選択肢が、複数あります。ただし、時間が経つほど、選択肢は減っていきます。返済が苦しいと感じた時点で、できるだけ早く、動くことが、何よりも重要です。

この記事では、住宅ローンが払えないときに、どんな流れで競売に進むのか、競売を回避するにはどんな選択肢があるのか、それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのか、誰に相談すればよいのかを、順を追って解説します。

なお、この記事は2026年10月時点の情報をもとにした一般的な解説です。ローンの契約内容や、ご家庭の状況によって、取るべき対応は大きく異なります。実際の対応にあたっては、金融機関や、弁護士、司法書士などの専門家にご確認ください。

 

この記事でわかること

・住宅ローンを滞納してから、競売になるまでの流れと、時間の目安
・競売のデメリットと、任意売却・通常売却との違い
・競売を回避するための、5つの選択肢
・任意売却の仕組み、流れ、メリット・デメリット、注意点
・売却価格とローン残高の関係(アンダーローン・オーバーローン)
・家に住み続けたい場合の方法(リースバック、個人再生など)
・債務整理の基礎知識
・悪質な業者に注意すべきポイント
・やってはいけないこと
・誰に、どの順番で相談すればよいか

 

第1章 住宅ローンが払えなくなると、何が起きるのか

 

1-1 滞納から競売までの流れ

住宅ローンの返済が滞ると、一般的には、次のような流れで、手続きが進みます。時期は、金融機関や、契約内容によって異なります。あくまで、一般的な目安として、ご覧ください。

段階 時期の目安 起きること この段階でできること
1.返済の遅れ 1か月目 金融機関から、電話や書面で、督促が届く すぐに連絡し、事情を説明する。条件変更の相談を始める
2.督促の継続 1〜3か月目 督促状が繰り返し届く。延滞損害金が発生する 条件変更、売却などの選択肢を、具体的に検討する
3.期限の利益の喪失 3〜6か月目ごろ 「分割で返済できる権利」を失い、残りのローンの一括返済を求められる(催告書、一括請求の通知) 任意売却、債務整理などを、急いで進める
4.保証会社による代位弁済 期限の利益の喪失の後 保証会社が、金融機関に、ローンを立て替えて払う。以後、保証会社が債権者になる 保証会社と、任意売却などの交渉を行う
5.競売の申立て・開始決定 代位弁済の後、数か月以内のことが多い 裁判所に、競売が申し立てられ、開始が決定される。裁判所から、書類が届く この段階でも、任意売却の道は、残っている場合がある
6.現況調査・入札の公告 数か月後 執行官が、家の状況を調査する。物件の情報が、公開される 任意売却を、急いで進める
7.入札・開札 申立てから、半年〜1年程度のことが多い 入札が行われ、最も高い価格を付けた人が、落札者になる 原則として、開札の前までが、任意売却の期限
8.代金納付・明渡し 開札の後 所有権が、落札者に移る。退去を求められる —

 

1-2 「3か月」が、一つの分かれ目

返済が3か月ほど滞ると、金融機関から、残りのローンの一括返済を求められ、競売の準備が進みやすくなる、と言われています。つまり、返済が3か月滞る前に動くことが、選択肢を広く残すための、大きなポイントです。

ただし、すでに滞納が長引いている場合や、競売の通知が届いている場合でも、諦める必要はありません。競売の手続きが始まったあとでも、任意売却ができる場合があります。今、できることを考えることが大切です。

 

1-3 金利が上がったことで、返済が苦しくなった方へ

近年の金利の上昇により、変動金利型のローンで、返済額が増えて、家計が苦しくなったという方もいらっしゃいます。変動金利型のローンには、金利が上がっても、一定期間は毎月の返済額が変わらない(いわゆる5年ルール)、また、見直し後の返済額が、直前の1.25倍を超えない(いわゆる125%ルール)、といった、仕組みを設けている金融機関が多くあります(すべてのローンに、あるわけではありません)。

こうした仕組みで、毎月の返済額が抑えられている間は、返済が続いていても、未払いの利息が、あとから、まとめて、請求される場合があります。ご自身のローンの契約内容を、早めに、確認してください。

 

第2章 競売とは:なぜ「避けたい」のか

 

2-1 競売の仕組み

競売(けいばい)は、住宅ローンを返済できなくなったとき、債権者(金融機関や保証会社)が、担保として設定している抵当権に基づいて、裁判所を通して、家を強制的に売却する手続きです。落札者に売却され、その代金から、ローンの返済に、あてられます。

 

2-2 競売のデメリット

デメリット 内容
価格が低くなりやすい 競売は、一般の売却に比べて、価格が低くなる傾向がある。市場価格の7割前後になる、と言われることもある(物件や状況によって異なる)。その結果、売却後に残るローン(残債)が、多くなりやすい
残債が残る 競売の代金で、ローンを完済できなければ、残りは、返済し続ける必要がある
自分で、売却の条件を決められない 売却の時期、価格、買主を、自分で選べない
近所に知られやすい 物件の情報が、裁判所の資料などで、公開される。執行官による調査も、実施される
引越しの時間・費用に余裕がない 落札後、速やかな退去を求められる。引越し費用が、配慮されることは、ほぼない
手続きの負担と精神的な負担 裁判所からの書類への対応、執行官の調査への立ち会いなど
信用情報への影響 ローンの延滞・代位弁済の情報は、信用情報機関に登録され、一定期間、新たなローンやクレジットカードの利用に影響する

 

2-4 競売・任意売却・通常売却の比較

  競売 任意売却 通常売却
売却の主体 裁判所(債権者の申立て) 所有者(債権者の同意が必要) 所有者
売却価格 市場価格より低くなりやすい 市場価格に近い価格で売れる可能性がある 市場価格
ローンが残る場合 残債が、多く残りやすい 残債の返済方法を、債権者と相談できる 原則として、完済が必要(自己資金で補う)
引越しの時期・費用 自分で決められない。費用の配慮は、ほぼない 時期の調整ができる。債権者が認めれば、費用の一部が配慮されることもある(保証はない) 自分で決められる
近所への周知 知られやすい 通常の売却と同様に進められる(広告方法の相談が可能) 通常の売却と同様
ローン完済の必要性 — 売却してもローンを完済できないが、債権者が抵当権の抹消に同意する場合に利用 売却代金などで、完済できることが前提

 

第3章 競売を回避するための5つの選択肢

競売を回避するための方法は、大きく、次の5つに整理できます。状況によって、最適な方法は異なり、複数を組み合わせることもあります。

選択肢 概要 向いている状況
① 金融機関への相談・返済条件の変更 返済期間の延長、一定期間の利息のみの返済、ボーナス払いの見直しなどを相談する 一時的な収入減など、収入の回復が見込める。まだ、滞納が長引いていない
② 収入・資金面の立て直し 家計の見直し、親族の援助、収入の増加、借換えなど 返済額を、少し下げれば、返済を続けられる見込みがある
③ 通常売却 家を、通常の方法で売却して、ローンを完済する 売却価格で、ローンを完済できる(または、自己資金で補える)
④ 任意売却 債権者の同意を得て、ローンが残る状態でも、家を売却する 売却価格がローン残高を下回る。収入の回復が難しい
⑤ 債務整理 個人再生、自己破産などの、法的な手続きで、債務を整理する 他にも借金があり、全体の返済が難しい。家を残したい、または、手放して整理したい

 

① 金融機関への相談・返済条件の変更

最優先は、早く、金融機関に連絡することです。連絡せずに、督促を無視することは、最悪の選択です。事情を伝えて、相談することで、返済条件の変更に、応じてもらえる場合があります。

返済条件の変更(リスケジュール)の例

・返済期間の延長:毎月の返済額を、減らせる(ただし、総支払額は増える)
・一定期間の、利息のみの返済:元本の返済を、一時的に、猶予してもらう
・ボーナス返済の、変更・減額・停止:ボーナスが減った場合などに有効
・返済額の見直し:収入に合わせて、無理のない額に

注意点
・猶予は、一時的な措置であり、元本が減るわけではありません。
・返済期間を延ばすと、総支払額(利息)は増えます。
・条件変更に応じてもらえるかは、収入の見通し、延滞の状況、契約の種類、年齢などによって、異なります。
・「住宅金融支援機構」の住宅ローン(フラット35など)を利用している方は、返済が困難になった場合の、返済方法の変更の制度が、用意されています。詳細は、ご利用のローンの窓口や、機構の公式情報で、ご確認ください。

相談の際は、次の点を整理して伝えましょう。

・返済が苦しくなった、理由(収入の減少、病気、失業、離婚など)
・現在の、収入と支出の状況
・今後の、収入の見通し(回復する見込みがあるか)
・希望する、返済の条件

 

② 収入・資金面の立て直し

・家計の見直し:固定費(保険、通信費、サブスクなど)の削減
・収入の増加:副業、転職、配偶者の就労など
・親族からの援助:一時的な資金の援助(贈与とみなされないよう、借用書などを整える)
・借換え:金利の低いローンへの借換えで、毎月の返済額を下げる方法もあります。ただし、滞納がある場合や、収入が減っている場合は、審査に通らないことが、少なくありません

危険な方法:カードローンなどの借入で返済する 住宅ローンの返済のために、カードローンや消費者金融から、借入をするのは、非常に危険です。金利が高く、返済の負担がさらに増え、事態を悪化させます。

 

③ 通常売却

家を売却して、その代金で、ローンを完済できる場合(アンダーローン)や、足りない分を、貯蓄などで補える場合は、通常の売却が、最も良い選択肢です。市場価格で売れる可能性が高く、残債も残りません。

売却の時期は、滞納が長引く前(返済が遅れ始める前)が、理想です。時間に余裕があれば、じっくり買主を探せるため、好条件で売れる可能性が高まります。

売却価格が、ローン残高に届かない場合(オーバーローン)は、次の任意売却を、検討します。

 

④ 任意売却

任意売却は、住宅ローンの返済が難しく、売却価格が、ローン残高に届かない場合に、債権者(金融機関や、保証会社)の同意を得て、抵当権を外してもらい、通常の不動産取引と同じように、売却する方法です。詳しくは、次の章で解説します。

 

⑤ 債務整理

住宅ローン以外にも、多くの借金があり、全体として返済が困難な場合は、法的な債務整理(個人再生、自己破産など)を検討します。家を残せるか、手放すかは、手続きによって異なります(第7章で解説します)。

第4章 任意売却とは:仕組みと流れ、注意点

 

4-1 任意売却の仕組み

住宅ローンを借りるとき、家には、抵当権が設定されます。抵当権があると、ローンを完済しない限り、家を売却できません。通常は、売却代金で、ローンを完済して、抵当権を抹消します。

ところが、売却代金がローン残高に届かない場合、債権者が、「残りのローンが残っても、抵当権を外す(売却を認める)」と同意してくれなければ、売却できません。この同意を得て売却するのが、任意売却です。

売却代金は、債権者に、返済として配分されます。売却後に、残ったローン(残債)は、債権者と返済方法を協議して、分割で返済していきます。

 

4-2 任意売却のメリット

・競売より、高い価格で、売却できる可能性がある:市場に近い価格で売れれば、残債を減らせる
・残債の返済方法を、債権者と相談できる:無理のない分割での返済を、協議できる
・引越しの時期を、調整できる:競売より、余裕を持って、準備できる
・引越し費用の配慮を、受けられる場合がある:債権者の判断による(保証はありません)
・近所に、知られにくい形で進められる場合がある:広告の方法などを、相談できる
・手続きの負担が、比較的、小さい:通常の売却に近い形で進められる

 

4-3 任意売却のデメリット・注意点

・債権者の同意が、必要:同意が得られなければ、売却できません
・ローンの滞納がある状態で進めるため、信用情報に、延滞や代位弁済の情報が登録される:影響が出る期間は、情報の内容や、信用情報機関によって異なります
・残債が残る:売却後も、返済は続きます
・連帯保証人がいる場合は、影響が及ぶ:残債について、連帯保証人にも、請求される可能性があります
・買主が見つからないと、競売に進む:売却の期限があります
・税金の滞納や、マンションの管理費の滞納がある場合は、調整が必要
・すべての物件で、可能とは限らない:債権者の判断や、物件の状況によります

 

4-4 任意売却の流れ(7ステップ)

1.相談・状況の整理:ローンの残高、滞納の状況、他の債務、家族の状況などを整理する
2.査定・売却価格の検討:不動産会社に、査定を依頼し、売却可能な価格を確認する
3.債権者との協議・同意:債権者(金融機関、保証会社)に、任意売却の希望を伝え、売却価格の下限(最低売却価格)などを協議する
4.販売活動:一般の売却と同様に、買主を探す(債権者の同意を得た条件で)
5.売買契約の締結:買主が見つかったら、売買契約を結ぶ(債権者の同意が前提)
6.決済・引き渡し:売却代金が、債権者などに配分される。抵当権が抹消され、物件を引き渡す
7.残債の返済計画:債権者と協議して、残債の返済方法を決める

 

4-5 いつまでに、始めるべきか

任意売却は、競売の開札の前までに、売却を完了させる必要がある、というのが、基本的な考え方です。競売の手続きが進むと、時間的な余裕が少なくなるため、できるだけ、早い段階で、動き出すことが、重要です。

時間が、多く残っているほど、次のようなメリットがあります。

・買主を探す期間が長く、好条件で売れる可能性が高まる
・債権者との協議に、余裕がある
・引越しの準備に、時間をかけられる

 

4-6 任意売却のときの「費用」

任意売却の場合、仲介手数料などの、売却にかかる費用は、原則として、売却代金から、支払われます。つまり、手元から、費用を支払う必要がないことが、一般的です。(費用の扱いは、債権者との協議によります。)

ただし、債権者が、認める範囲に、限られます。その点は、不動産会社と、債権者との協議の中で、確認が必要です。

 

4-7 任意売却と税金

・売却して、赤字(譲渡損失)になる場合:譲渡所得税は、通常、かかりません
・売却益が出る場合:自宅の売却であれば、居住用財産の特例(3,000万円の特別控除など)を使える場合があります
・残債の免除を受けた場合:免除された額は、原則として、所得として課税される可能性があります。ただし、支払い能力がなく、債務を弁済することが著しく困難な場合には、課税されない特例があります
・固定資産税の滞納がある場合:自治体から、差押えを受けている場合があり、調整が必要です

税金の扱いは、複雑です。売却の前に、税理士に確認してください。

 

第5章 売却価格とローン残高の関係で考える

売却を考えるとき、「売却価格」と「ローン残高」のどちらが大きいかで、方法が変わります。

状況 内容 主な方法
アンダーローン 売却価格が、ローン残高(と、売却の費用)を上回る 通常売却で、ローンを完済できる。差額が、手元に残る
オーバーローン 売却価格が、ローン残高(と、売却の費用)を下回る 不足分を、自己資金で補えれば、通常売却。補えない場合は、任意売却

計算例(説明用の仮定)

以下は、考え方を示すための、仮定の数字です。

項目 ケースA(アンダーローン) ケースB(オーバーローン)
売却価格(仮定) 4,000万円 3,000万円
売却の費用(仮定) ▲約200万円 ▲約150万円
ローン残高(仮定) ▲3,500万円 ▲3,500万円
差引き 約300万円(手元に残る) 約▲650万円(不足)
対応 通常売却で完了 不足分を自己資金で補えない場合は、任意売却を検討。債権者と、残債(約650万円)の返済方法を協議

自宅の、おおよその売却価格は、不動産会社の査定で、分かります。ローンの残高は、金融機関の返済予定表や、残高証明書で、確認できます。まず、この2つを、把握することが、方針を決める第一歩です。

第6章 住み続けたい方へ:手放さない(または、住み続ける)ための方法

「家を売るのは、どうしてもつらい」「子どもの学校や、仕事の関係で、引っ越したくない」という方もいらっしゃいます。住み続ける方法も、いくつかあります。

 

6-1 リースバック

リースバックは、家を、不動産会社などに売却したうえで、賃貸借契約を結び、家賃を払いながら、住み続ける方法です。

メリット
・売却代金で、ローンの返済にあてられる(アンダーローンまたは、債権者の同意が前提)
・引越しをせずに、住み続けられる
・近隣に、事情が、知られにくい

デメリット・注意点
・家賃の負担が発生する(家賃の額は、周辺の賃料などを踏まえて決まるが、高くなる場合がある)
・売却価格が、市場価格より低くなる場合がある
・賃貸契約の期間や、更新の条件(期間満了後に、退去を求められるケースもある)を確認する
・買戻しの特約が、ある場合でも、条件や価格が、不利でないかを確認する
・任意売却の場面では、債権者の同意が必要

リースバックは、条件が、事業者によって異なります。契約内容を、十分に確認し、複数の事業者を比較することが大切です。

 

6-2 親族・知人への売却(親族間売買)

親族などに、家を売却し、売主が、賃借人(または、買戻し)として、住み続ける方法もあります。ただし、債権者の同意、適正な価格、贈与とみなされないための契約の整え方など、法的・税務上の、慎重な対応が必要です。

 

6-3 個人再生(住宅資金特別条項)

個人再生は、裁判所の手続きで、借金を大幅に減額し、原則として3年(事情により、最長5年)で、分割返済する制度です。この中で、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用すると、家を手放さずに、住宅ローンの返済を、続けながら、他の借金を整理できる場合があります。

主なポイント
・住宅ローンの返済条件を、一定の範囲で、見直す(返済期間の延長など)
・住宅ローン以外の借金を、法律で定められた範囲で、減額する
・利用には、要件があります(たとえば、住宅に、住宅ローン以外の担保が設定されていない、など)
・手続きは、複雑で、弁護士などの専門家のサポートが、欠かせません
・手続きを始める前に、金融機関(債権者)との事前協議が必要です

要件や、適用の可否は、個別の状況で異なるため、弁護士に、早めに相談してください。

 

第7章 債務整理の基礎知識

住宅ローン以外にも、借金が多い場合は、債務整理も、選択肢に入ります。

方法 内容 住宅への影響
任意整理 債権者と、裁判外で、利息のカットや、分割返済を交渉する 住宅ローンを、対象から外せば、家を残せる場合もある。ただし、住宅ローンの返済を、続けられるかが前提
個人再生 裁判所の手続きで、借金を減額し、分割で返済する 住宅資金特別条項を利用すれば、家を残せる場合がある
自己破産 裁判所の手続きで、返済できない借金の、支払い義務を免除してもらう 原則として、家は、手放すことになる(売却され、債権者への配当にあてられる)

債務整理は、信用情報への影響、職業上の制限(自己破産の場合)など、さまざまな影響があります。弁護士や、司法書士に、早めに相談し、自分に合った方法を、選びましょう。

 

第8章 公的な支援・相談窓口

返済に悩んだときは、ひとりで抱え込まず、相談できる窓口を、活用してください。

相談先 相談できること
住宅ローンの借入先(金融機関) 返済条件の変更、今後の見通し。最優先で、相談する
住宅金融支援機構 機構のローン(フラット35など)の返済方法の変更、返済が困難になった場合の相談
不動産会社 家の査定、通常売却・任意売却などの進め方、買取の相談
弁護士 債務整理(個人再生、自己破産など)、債権者との交渉、法的な対応
司法書士 債務整理の相談(一定の範囲)、登記
税理士 売却や、債務免除に関する税金
自治体の相談窓口(生活困窮者の自立相談支援機関など) 家計や、就労、生活全般の相談。公的な支援制度の案内
社会福祉協議会 生活の資金の、貸付制度などの、相談
法テラス(日本司法支援センター) 法的なトラブルの情報提供、弁護士・司法書士の紹介、経済的に余裕がない場合の、費用の立替え制度(利用条件があります)

相談する順番の目安

1.まず、借入先の金融機関に、連絡する(滞納の前、遅くとも、滞納の初期に)
2.家の査定を、受ける(売却価格を、把握する)
3.他に、借金があるなら、弁護士などに、相談する
4.売却の必要があれば、不動産会社に、進め方を相談する
5.必要に応じて、税理士、公的な窓口を、活用する

 

第9章 悪質な業者に、注意

住宅ローンが払えず、困っている方を狙った、悪質な業者も、残念ながら存在します。次の点に、注意してください。

 

9-1 注意すべき業者の特徴

・「必ず、競売を止められます」「残債が、ゼロになります」と断言する
・相談の前に、着手金などの、費用を、先に求める
・「すぐに契約すれば、有利になる」と、判断を急がせる
・売却価格が、相場とかけ離れて、低い(買い叩く)
・契約内容を、書面で説明しない
・宅地建物取引業の免許が、確認できない
・債務整理や、法的な手続きの代理を、不動産会社自身が、勧めたり、請け負ったりする(法律上、弁護士・司法書士以外が、法的な代理を行うことは、制限されています)

 

9-2 安心して、依頼するための、確認ポイント

1.宅建業の免許番号を確認する
2.費用の内訳を、書面で説明してもらう
3.複数の会社に、相談して、比べる
4.売却価格の根拠を、説明してもらう
5.法的な判断が必要な場面では、弁護士などの専門家に、つないでくれるか
6.「できないこと」も、正直に伝えてくれるか

 

9-3 違法な「競売妨害」には、絶対に手を出さない

競売を、逃れる目的で、賃貸借契約を偽装したり、第三者を、占有させたりする行為は、犯罪(競売入札妨害、強制執行妨害目的財産損壊等など)に、あたる可能性があります。また、資産を隠したり、名義を移したりする行為も、法的な問題になります。「簡単に、競売を止められる」と、そそのかす業者には、近づかないでください。

 

第10章 やってはいけないこと

1.督促を、無視する、連絡を絶つ

連絡を絶つと、金融機関は、返済の意思がないと判断し、手続きを、急ぐことがあります。連絡を取り、事情を話すことが、選択肢を残す鍵です。

2.借金で、返済を続ける(自転車操業)

カードローンや、消費者金融の借入で、返済を続けると、借金が、雪だるま式に増え、取り返しのつかない事態に、なりかねません。

3.家族や、保証人に、黙っている

連帯保証人や、連帯債務者がいる場合、滞納が、保証人にも、影響します。状況が、悪化してから知ると、家族関係に、深刻な影響が出ることもあります。早めに、共有してください。

4.資産を隠す、名義を移す

債権者から逃れるために、資産を隠したり、家族に名義を移したりする行為は、詐害行為として、取り消される可能性があります。犯罪になる場合もあります。

5.「そのうち、何とかなる」と、先延ばしにする

時間が経つほど、選択肢は、減っていきます。滞納が長引くと、競売の手続きが進み、任意売却の期限も、迫ります。

6.1社だけの、言うことを、信じる

不動産会社によって、査定額や、提案は、異なります。複数の会社に相談して、比較してください。

 

第11章 家族や、保証人への影響

 

11-1 連帯保証人・連帯債務者がいる場合

住宅ローンに、連帯保証人や、連帯債務者(夫婦のペアローンなど)がいる場合、ローンの返済義務は、その人にも及びます。任意売却や、競売で、ローンが残った場合、残債は、連帯保証人・連帯債務者にも、請求されることになります。

早めに、状況を共有し、一緒に、対応を考えることが、大切です。

 

11-2 離婚が、絡む場合

離婚に伴い、住宅ローンの名義や、家の名義が、問題になることがあります。ローンが、夫婦の一方の名義で、もう一方が、連帯保証人になっている場合、離婚しても、ローンの責任は、消えません。早めに、弁護士にも、相談してください。

 

11-3 家族の生活への、影響

・転居:学区、通勤・通学への影響
・住まいの確保:賃貸住宅の入居審査(信用情報の影響で、保証会社の審査が、厳しくなる場合も)
・子どもへの、配慮:転校や、環境の変化に、時間をかけられる、任意売却のメリット

引越し先の、賃貸住宅を探す際は、早めに、不動産会社に、相談してください。

 

第12章 住宅ローンが払えない「想定ケース」

ここでは、よくあるご相談のパターンをもとにした想定ケースを紹介します。(以下は、典型的な相談パターンをもとにした架空の例であり、実際の成約事例ではありません。)

 

想定ケース1:収入が減り、返済が苦しくなったが、早めに相談したケース

状況 勤め先の業績悪化で、ボーナスが減り、ローンの返済が苦しくなった。まだ、滞納はしていないが、今後が、不安。

進め方のイメージ
1.滞納する前に、金融機関に、相談する
2.ボーナス返済の見直しや、返済期間の延長などの、条件変更を、相談する
3.家計を見直し、固定費を削減する
4.収入の回復が見込めない場合に備え、家の査定を受けて、売却の可能性も把握する

ポイント 滞納する前に動けたことで、選択肢を、広く、残せます。「まだ大丈夫」ではなく、「苦しくなってきた」と感じた時点が、相談のタイミングです。

 

想定ケース2:離婚後、ペアローンが払えなくなったケース

状況 離婚した後、夫婦のペアローンの返済が、一人では苦しくなった。家は、ローン残高よりも低い価格でしか、売れそうにない。

進め方のイメージ
1.ローン残高と、それぞれの名義、連帯保証・連帯債務の関係を、整理する
2.家の査定を受け、売却価格と、ローン残高の差(不足額)を、確認する
3.不足が出る場合は、債権者に、任意売却の相談を行う
4.離婚の条件(財産分与、残債の負担)を、弁護士に、相談する
5.残債の返済方法を、債権者と、協議する

ポイント 離婚が絡む場合は、ローンの名義・保証の関係と、財産分与の整理が、複雑になります。弁護士と、不動産会社の両方に、早めに相談することが、重要です。

 

想定ケース3:事業の不振で、借金が増え、住宅ローンも払えなくなったケース

状況 自営業の収入が減り、事業の借入や、カードローンが増えた。住宅ローンの返済も、滞り始めている。

進め方のイメージ
1.すべての借入を、一覧にして、全体の負債を把握する
2.弁護士に、早めに相談し、債務整理(個人再生など)の可能性を検討する
3.家を残したいのか、手放してもよいのかを、整理する
4.家を残す場合は、個人再生の住宅資金特別条項の利用を検討する
5.手放す場合は、任意売却や、通常売却を検討し、債務整理と、並行して進める

ポイント 借金が、住宅ローンだけでない場合は、住宅ローンだけの対処では、解決しません。全体を、把握したうえで、法的な専門家と、不動産の専門家が、連携して進めることが、有効です。

 

第13章 今すぐ確認したい「チェックリスト」

相談に行く前に、次の項目を整理しておくと、話がスムーズに進みます。

 

ローン・返済の状況
□ 借入先(金融機関)と、保証会社の名称
□ ローンの残高、毎月の返済額、金利の種類(固定・変動)
□ 滞納している月数と、金額
□ 督促状や、催告書の、届いた日付と、内容
□ 連帯保証人・連帯債務者の有無

 

家の状況
□ 物件の種類(戸建て・マンション)、所在地、築年数
□ 家の名義(単独・共有)
□ 不動産会社の、査定額(あれば)
□ マンションの場合の、管理費・修繕積立金の滞納の有無
□ 固定資産税の滞納の有無

 

家計・他の債務
□ 収入と、支出の状況
□ 他の借入(カードローン、消費者金融、奨学金など)
□ 収入の回復の、見込み

 

書類
□ ローンの契約書、返済予定表
□ 登記簿(登記事項証明書)
□ 督促状・催告書・裁判所からの書類(届いていれば、すべて保管)

 

分からない項目があっても、構いません。まず、相談してみることが、第一歩です。

 

第14章 当社(株式会社ピーエフ&パートナーズ)にご相談いただけること

株式会社ピーエフ&パートナーズは、世田谷区駒沢に拠点を置き、世田谷区・目黒区を中心に、不動産の買取・売却、相続した物件のご相談、賃貸管理、不動産に関するトラブルのご相談まで、幅広く対応しています。20年以上の業界経験と、不動産に関する法務に詳しい弁護士との連携を強みとしています。

 

当社がお力になれること

・家の査定・価値の把握:売却価格の目安を、お伝えします。ローンの残高と比べて、どの方法が考えられるか、一緒に整理します。
・売却方法のご相談:通常の売却、買取など、状況に応じた進め方を、比較しながらご提案します。
・法的な課題への対応:権利関係や契約、債務整理などの、法的な判断が必要な場面では、提携の弁護士と連携して対応します。
・専門家のご案内:税金や、登記などの専門的な判断が必要な場合は、状況に応じて、適切な専門家への相談をご案内します。

住宅ローンの悩みは、人に話しにくく、ひとりで抱え込みやすい問題です。「まだ、滞納はしていないが、不安」「督促状が届いて、どうしたらよいか分からない」という段階でも、構いません。ご状況をお聞かせください。無理に売却をお勧めすることはありませんので、お気軽にご相談ください。

売却全般のポイントは、不動産売却で失敗しないためのコツや、あなたに合わせた売却方法のご紹介でも解説しています。

 

まとめ:競売は「最後の結果」。早く動けば、選択肢は残る

住宅ローンが払えないときの、要点を、あらためて整理します。

1.競売は、すぐには、始まらない:滞納から、競売の入札まで、時間がある。ただし、3か月ほど滞ると、一括返済を求められるなど、選択肢は、急速に減っていく。
2.まず、金融機関に連絡する:督促を無視せず、事情を話して、返済条件の変更などを相談する。
3.自宅の査定と、ローン残高を把握する:アンダーローンか、オーバーローンかで、方法が変わる。
4.売却できるなら、通常売却が最善:足りない場合は、任意売却を検討する。
5.任意売却は、競売より有利になりやすい:債権者の同意が必要。競売の開札前まで、時間に余裕を持って進める。
6.住み続けたい場合は、リースバックや個人再生もある:条件や、費用負担を、慎重に確認する。
7.借金が、住宅ローンだけでないなら、弁護士に:債務整理を、含めて検討する。
8.悪質な業者に注意する:「必ず止められる」「前払い」などには、近づかない。違法な競売妨害は、絶対にしない。
9.やってはいけないことを避ける:督促の無視、借金での返済、家族への隠し事、先延ばし。

住宅ローンの悩みは、誰にでも起こりうることです。そして、早く動くほど、取れる手段は、多くなります。最初の一歩は、金融機関への連絡と、専門家への相談です。ひとりで、抱え込まないでください。

 

住宅ローンのお悩み・ご相談のご案内

「住宅ローンが払えず、不安」「競売になる前に、できることを知りたい」「家の価値が、いくらくらいか知りたい」という方は、お気軽にご連絡ください。

株式会社ピーエフ&パートナーズ 〒154-0012 東京都世田谷区駒沢2丁目6番2号 アイタワー4F(駒沢大学駅より徒歩2分) 電話:03-6805-5999 宅地建物取引業免許:東京都知事(3)第87902号

 

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 住宅ローンを何か月滞納すると、競売になりますか? A. 金融機関や契約によって異なりますが、一般的には、3か月ほど滞納すると、一括返済を求められ、その後、保証会社の代位弁済、競売の申立て、という流れで進むことが多いと言われています。ただし、状況によって異なります。早めに、金融機関に相談してください。

Q2. 競売の通知が届いてしまいました。もう、手遅れですか? A. 手遅れとは、限りません。競売の手続きが始まっても、開札の前までなら、任意売却ができる場合があります。ただし、時間が限られるため、今すぐ、専門家に相談してください。

Q3. 任意売却をすると、ローンはゼロになりますか? A. なりません。売却代金で、ローンを完済できなかった場合、残債は残ります。ただし、債権者と、無理のない返済方法を、相談できます。「残債が、ゼロになる」と断言する業者には、注意してください。

Q4. 任意売却に、費用はかかりますか? A. 仲介手数料などの、売却にかかる費用は、原則として、売却代金から支払われ、手元から支払う必要がないことが、一般的です。ただし、債権者が認める範囲に限られます。「着手金を、先に払ってください」という業者には、注意が必要です。

Q5. 任意売却をすると、信用情報に、傷がつきますか? A. 返済が滞った事実や、保証会社の代位弁済は、信用情報機関に、登録される場合があり、その影響は、一定期間続きます。期間や内容は、情報の種類や、信用情報機関によって異なります。

Q6. 連帯保証人には、影響しますか? A. 影響します。売却後の残債は、連帯保証人にも、請求される可能性があります。早めに、状況を、共有してください。

Q7. 家に住み続ける方法は、ありますか? A. リースバック(売却して、賃貸で住み続ける)や、個人再生の住宅資金特別条項(家を残して、他の借金を整理する)などの方法が、あります。いずれも、条件や、要件があります。専門家に、ご相談ください。

Q8. 任意売却は、どんな不動産会社に、頼めばよいですか? A. 宅建業の免許があり、費用や、手続きの内容を、書面で、丁寧に説明してくれる会社を、選びましょう。複数の会社に、相談して、比べることも、大切です。法的な判断が必要な場面では、弁護士などの専門家と、連携できるかも、確認してください。

Q9. 住宅ローンが残っている状態で、家を売ることはできますか? A. 売却代金で、ローンを完済できる(または、自己資金で補える)場合は、通常の売却ができます。完済できない場合は、債権者の同意を得て、任意売却を行う方法があります。

Q10. まだ、滞納していませんが、相談してもよいですか? A. もちろんです。滞納する前の相談が、最も、選択肢が多くなります。「苦しくなってきた」と感じた時点で、ご相談ください。

 

免責事項

本記事は、一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、個別の法律・税務・金融に関する助言を行うものではありません。ローンの契約内容や、ご家庭の状況によって、取るべき対応は大きく異なります。法律や制度は、改正されることがあります。実際の手続きや判断にあたっては、必ず金融機関、弁護士、司法書士、税理士などの専門家、または、公的機関の公式情報をご確認ください。また、記事中の金額、割合、期間は、説明のための仮定または一般的な目安であり、個別の結果を保証するものではありません。

 

参考情報

・住宅金融支援機構:返済が困難になった場合の相談・返済方法の変更について
・裁判所:不動産競売(競売の手続き、期間入札)について
・国税庁:マイホームを売ったときの特例/債務免除益に関する取扱い
・厚生労働省:生活困窮者自立支援制度(自立相談支援機関)
・日本司法支援センター(法テラス)

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